2017年12月30日土曜日

木と戯れる年末



「丸太、出たよ」

伐採木で良い木があるといつも声をかけてくださる集落の方。

今回は自分の住む集落内の上部で傷害木として伐採された木がたくさん出たそう。

車で2分ほどの現場に行くと、ヤマザクラやホオやクリやアカマツが伐倒された状態で放置されていました。
ヤマザクラは元の直径50cmほどあり、赤身も張って、丸太を見る目が未熟な自分にも容易に良材と判断できます。

地主も集落の方で、お話すると、「持ってていいよー」とのこと。
ありがたいです。



しかし…


倒れたのは道路脇の急斜面の7〜8mほど下の方。







これは人力で上げるのは到底不可能そう。
しかし集材用のウインチも無く、ユニック借りるのもお金かかるし…


「人力でやってみよう」
前述の声をかけてくださる方は以前森林組合で山仕事をされていて、経験豊富、ワイヤーかけてチルホールであげるとのこと。

知り合いにも手伝ってもらい3人でやってみることにしました。






約2mに玉切りした丸太にワイヤーをかけ、チルホールを使って数センチずつ上げていくという途方も無い作業。

重たすぎてチルホールのレバーは一人では引けず、二人がかりでなんとか動きます。

一日中丸太と戯れ、ヘロヘロになりながらも、なんとか道路近くまであげました。



最後の最後は見るに見かねた近所の農家の方が、持っているユンボを出して引っ張りあげてくださいました。








最終的にヤマザクラ、クリ、ホオの丸太2本づつ。
さすがに軽トラには載せれず、次の日にユニック車を借りてきて製材所まで搬送しました。



















製材所で挽いてもらうと、やはりとてもきれいな良材でした。

特に製材直後の水分で濃くなったホオの赤身の緑の美しさに、一瞬見惚れてしまいました。







樹皮剥がしは製材後すぐに。
水分を含んでいる木は玄翁で叩くと皮が剥離してきて容易に剥がせます。

この作業を怠ると、暖かくなったたらほぼ確実に虫が入ります。




桟積み、なんとか年内に終わらせました。

木材の天然乾燥の工程は奥が深く、経験不足の自分はまだまだわからないことばかりで、ひとつひとつ試しながらです。

何10年後かに、最良のやり方が見つけれればと思います。




今回この一連の作業に5日間ほど費やしました。
費やした時間を単純に賃金に換算すると、割に合わない、材木屋さんから購入した方が良いのかもしれません。

しかし、木工は単純に効率のみで計算できない部分がたくさんあります。

今回のように山から丸太を出し、製材、乾燥という工程を自身で行うという経験を踏むことによって、木のことをより深く知ることができ、今後の将来の製品の品質向上、効率化に繋がるものだと思います。



またこの過程を経験して製品を製作することが、なんというか、
木工をやることの醍醐味のような気がします。



自身が苦労して、またたくさんの方々のお世話になり手に入れた材、将来必ず
良い製品を作りたいと思います。





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